三重
2024.12.11-12
皆様、こんにちは!三重に暮らす・旅するWEBマガジン『OTONAMIE』代表の村山祐介と申します。昨年に引き続き、本ツアーのナビゲーターを務めさせていただきます。今回、ご紹介するのは、「【三重県主催】『OTONAMIE』が案内する、三重県南部地域の仕事と暮らし体感バスツアー/伊勢志摩編Vol.2」です。
2015年にスタートした『OTONAMIE』は、三重県内外の約230名が投稿者として登録するローカルWEBメディアで、その地に暮らしているからこそ知っている情報や魅力を記事にして発信しています。私も運営者として、またライターとして活動するなかで三重県各地の魅力だけでなく、先進的な取り組みを行う数多くの方々に取材をさせてもらってきました。
今回のツアーでは、そのような方々はもちろん、オススメしたいアクティビティやスポットなど、アップデイトされた伊勢志摩の魅力をご紹介したいと思っています。
ちなみに本ツアーを主催するのは、三重県南部地域振興局。「IターンとかUターンとか、とりあえず難しいことは置いといて、とにかく!若い世代の方々に!! 三重県南部地域のアップデイトされた魅力を!!! 肌で感じていただきたたい!!!!」という、まさに郷土愛の塊のような事業なんです。それでは、まずツアーで訪れる地域の紹介から始めたいと思います。
【目次】
伊勢神宮や夫婦岩など、多くの観光客が訪れる伊勢市。お伊勢参りが盛んになった江戸時代には年間400万人が参拝しており、今の人口比率からするとディズニーランドに行く人数より多かったそうです。今も昔から続くお伊勢参りに関係する風習や文化が根付いており、多くの伊勢ファンを魅了しています。
鳥羽市は鳥羽水族館や御木本真珠島などがあり、観光客も多く旅館街があります。お隣の志摩市はリゾート地でもありG7伊勢志摩サミットの開催地です。伊勢市に隣接する鳥羽市、志摩市、南伊勢町は水産業も盛んで、真珠、伊勢海老、鮑など三重ブランド(三重県)に認定されているものや養殖業も発展しています。
観光地のイメージが強い伊勢志摩ですが、ワタクシ的には生産地としての魅力もぜひ知っていただきたいと思っています。それでは、ディープでニッチな濃い目の1泊2日のバスツアーで巡る、訪問先の魅力についてご案内していきます。
南伊勢町の漁村・阿曽浦で真鯛の養殖や水産会社「友栄水産」を営む4代目橋本純さん。若い頃はヨーロッパやアフリカなどを巡り、ハワイに移住。しかしリーマンショックで家業が大変なことになっていることを知り、帰国して会社を再興させました。
そのなかで、漁村の暮らしをそのまま体験する事業も開始。漁師のいるゲストハウス「まるきんまる」の運営や、漁師体験、鯛の塩釜焼き体験など様々なプログラムがあり、その面白さはSNSなど口コミで広がり、海外からの旅行客も訪れています。
また高齢化が進む漁村・阿曽浦には、「まるきんまる」のプログラムを通じてタヒチやシンガポールから移住した外国人漁師もおり、人口減少が進む日本の未来を見ているようです。ツアー1日目のスタートは、漁船に乗って漁師体験と昼食に鯛の塩釜焼きをいただきます。
■参考記事/OTONAMIE記事
https://otonamie.jp/?p=50657
志摩市で水産加工業「伊勢志摩冷凍」を営む石川隆将さん。水産加工業としてHACCP対応の工場を運営するなど先進的な取り組みをする一方、事業を通じて見えてきた海の課題にも新しいアイデアで積極的に取り組んでいます。
例えば、加工業にとどまらず自ら牡蠣養殖などの漁業を行い、おかげ横丁で飲食店も運営するなど、いわゆる第6次産業化も実現されています。市場で値が付かない未利用魚などを使ったハンバーガー店のポップアップショップに挑戦するなど、アイデアをかたちにする実行力にはいつも脱帽する気持ちになります。当日はそのあたりのお話も、講義で聴かせていただきます。
■参考HP/未来の暮らし方を育む泉の創造プロジェクト
http://ryuzofurukawa.com/spcontents/shimarei/index.html
志摩市で総合ビル管理や清掃管理を行う会社を経営する城山源さんはその傍ら、地元である志摩市波切地区の仲間と立ち上げた一般社団法人「じゃまテラス」としての活動も行なっています。大王埼灯台があり、昔は多くの観光客で賑わった波切地区ですが、時を経て土産物店の高齢化などの影響でシャッター街化してしまいました。
城山さんはそのような状況のなか、閉店した元真珠店を購入し、2022年に地元の魚介を使ったカフェ「stop by joe」を開業。また、大王埼灯台に続く小路沿いにあった数軒の空き家を購入し、チャレンジキッチンができる地域の場づくりも実行しています。波切地区の空き店舗の良い所は、店舗兼住居で家賃を抑えてすぐに商売が始められるところ。そのあたりのお話もツアーで聞かせていただきます。
■参考記事/OTONAMIE
https://otonamie.jp/?p=90405
ツアー初日のハイライトは、伊勢志摩で活躍する3名の方をゲストに招いて交流懇親会。夕食後は、“オモロイ大人になるために!”をテーマにトークライブ&ディスカッションを行います。ちなみにトークライブのゲストは、この日訪問させていただく橋本純さん(南伊勢町)、石川隆将さん(志摩市)、そしてツアー2日目に訪問させていただく「UMILABO」の川野晃太さん(志摩市)の3名です。
会場は元真珠店を改装した「stop by joe」。地元の魚介を使った料理や郷土料理をいただきながら、オモロイ大人を実践する方々とのトークを楽しみましょう!
■参考IG/stop by joe
https://www.instagram.com/cafe_stop_by_joe/
2日目も、まずは船に乗ります(笑)。とは言え、漁はしません。船で向かうのは、空き家化した真珠養殖場をリノベーションした複合型リトリート施設「UMILABO」。志摩市出身の川野晃太さんは、今は大阪との2地域生活で自動運転スタートアップの会社に勤めながら「UMILABO」を経営されています。
川野さんは子どものころ、祖父母が仕事をする真珠養殖場で遊んだ経験があり、大人になって戻ってくると空き家化した真珠養殖場は崩落寸前。その様子にショックを受けるとともに自分ができることを考え始めたという川野さんは、現在2棟目のリノベーションに着手しています。
空き家化した真珠加工場は志摩市だけで300軒はあるそうで、川野さんの挑戦をきっかけに新しいかたちに生まれ変わるのを期待したくなります。当日はそのあたりをテーマにトークやディスカッションを行う予定です。
■参考記事/OTONAMIE
https://otonamie.jp/?p=90712
老舗旅館「扇芳閣」の跡継ぎとして育った谷口優太さんは、海外で旅行業を学んだあと帰国。しかしながら、宿を継いだタイミングがコロナとほぼ同時期。経営者として嵐のような日々が始まったそうです。そのなかで経営者としてのビジョンを模索。結果、〝世界中の子育て家族から愛される上質な旅館になる”という志を掲げ経営をスタートさせます。
「子どもがまだ小さいから旅行は控えたい、そう考えているご家族こそ、お越しいただきたい」という谷口さん。館内にキッズスペースやライブラリーをはじめとする、子どもたちが楽しく遊べる場所をつくった結果、親子3世代での宿泊客も増えたそうです。子どもが小さいときこそ、たくさん思い出を残してあげたい。そう願う親の気持ちをビジョンに掲げ、カタチとして実行した谷口さんが考える、これからの時代、そして経営についてもお話を聞かせていただきます。
■参考記事/note
https://note.com/senpokaku_001/n/n7803cea9ea76
伊勢神宮の外宮参道で登山用具やアウトドア用品の専門店を経営する傍ら、「外宮参道発展会」の代表として活動する山本武士さん。伊勢神宮の歴史文化に深い造詣を持ち、その精神を表現する「とぶさたてPROJECT」や、刃物店とお伊勢参りの寄合所「伊勢 菊一」、伊勢の伝統文化を発信するコミュニティスペース「キクイチ分室」の運営など様々な取り組みを展開しています。
私は山本さんとお話を重ねる上で、伊勢とは何か? 日本の伝統とは何か?と考える機会が増え、これからの時代に大切に残していきたい日本の文化を意識するようになりました。そこには持続可能性を求められる時代に必要な、日本人ならではの精神があるような気がしています。
■参考HP/外宮参道
https://gekusando.jp/
以上が、「【三重県主催】『OTONAMIE』が案内する三重県南部地域の仕事と暮らし体感バスツアー/伊勢志摩編 Vol.2」のバスツアーの概要です。最後にナビゲーターの私から、皆さんに一言メッセージを伝えさせてください。
三重県津市で育った私は『OTONAMIE』を始めるまで、伊勢志摩の観光地の顔しか知りませんでした。しかし、取材等を重ねるうちに土着的な文化や漁業などの自然とともにある生業、そこに息づく暮らしなど、観光とは逆側にある日常に魅了されていきました。そしてあるとき「ぜんぶ、つながっている」と気がついたんです。
伊勢志摩は昔、朝廷に食材を献上する「御食つ国」でした。また伊勢神宮では外宮の御鎮座から1500年にわたり、毎日欠かさず朝と夕に神様にお食事を奉る「日別朝夕大御饌祭」というお祭りが行われています。
海と山、その間に生きる私たち。自然への畏怖や畏敬の念を持つ日本人。今回巡るゲストの方々はそういった感覚を肌で感じながら伊勢志摩で活躍されるとともに、今まで取材等で出会った、マジで「オモロイ大人」たちです。
大人の修学旅行と表現したくなる今回のツアー。見る、聞くだけでなく、身体や五感で、そして心で、伊勢志摩の魅力に触れてください。食も伊勢志摩の魅力のひとつ。食べて笑って、知って学ぶ。そんな楽しい時間をナビゲートさせていただくことを、今から楽しみにしています。ご興味のある方はぜひ、ご遠慮なくご参加ください。お会いできることを楽しみにしています。
村山祐介(OTONAMIE代表/寿印刷工業株式会社 専務取締役)
家業の印刷会社に入社しグラフィックデザインやWEBデザインを担当。民間発の地方創生プロジェクトとしてローカルWEBメディア『OTONAMIE』を立上げ、運営後はライターも行う。現在はアートディレクター、プロモーションディレクター、映像ディレクター等、各種ディレクション業務を中心に活動中。様々な事業の取材などを通じて、三重県の生産者や地域プレイヤー等との深いリレーションを構築するとともに、三重県の食や歴史・文化について官民のメディアで多くの執筆経験を持つ。三重県が主催する地方創生関連のイベントのファシリテータやゲストとして東京、大阪、地元三重での登壇経験もある。
■実績一例/https://kotobuki-mie.co.jp/
参加のご応募について/下記リンクよりお申込み下さい ※正式お申し込み時に大阪または津発着をお選び頂きます。
南伊勢町阿曽浦に到着したら、ゲストの橋本さんのお話を聞きながら鯛の塩釜焼きの仕込みを行います。続いて漁船に乗り込み、10分程のところにある真鯛の養殖場にて筏に渡って鯛の餌やり体験を行います。陸に上がって「まるきんまる」が運営する「ウクラ山ラボ」にて、完成した鯛の塩釜焼きをいただきます。
HACCP対応の魚の加工工場を見学後、石川さんの取り組みや想いを聞かせていただきます。加工業を通じて見えてきた課題や、そこに挑戦する動機など、今までの取り組みに加え、漁村という地域全体を考えた上で、地元で獲った魚での加工品づくりへのこだわりなど、海とともに生きる当事者目線でのお話をしていただきます。トーク後はディスカッションの時間もありますので、皆様からのご質問にもお答えいただきます。
空き家や空き店舗など、「じゃまテラス」がリノベーションを手がけた店や物件を見学しながら巡り、大王埼灯台から波切の海と夕陽を眺めます。その後、城山さんが運営する「stop by joe」に戻り、トークライブ形式で「じゃまテラス」さんの取り組みについて聞かせていただきます。
地元の魚をつかった「stop by joe」の料理や、波切の郷土食などをいただきます。食事のあとは『オモロイ大人になるために!』をテーマに3名のゲストとディスカッション形式でトークライブを行います。
20:25 宿泊:クインテッサホテル伊勢志摩(志摩市内)
船で「UMILABO」に向かい施設の見学をします。川野さんから「廃屋になった真珠加工場の再生による地域活性化」のお話をしていただきます。その後いくつかの班に分かれて「廃屋になった真珠加工場の再生」をテーマに、皆さんにアイデア出しをしてもらうグループワークと発表を行います。
館内を見学した後、鳥羽で人気のカフェ「MUSEA」のテイクアウトランチをいただきます。食事のあとは谷口さんからこれからの観光業やビジネスについてお話をしていただき、質疑タイムはスマホアプリを使って皆さんからいただいた質問にお答えいただきます。
外宮を参拝後、「キクイチ分室」の見学と山本さんのお話をトークライブ形式で聞かせていただきます。ここが最後の訪問場所でもあるので、参加いただいた皆さんからの感想などをひと言お話いただきツアーは終了です。
19:00頃 大阪着